◎文教社会常任委員長(東友美) 今期定例会において当文教社会常任委員会に付託された議案1件につきまして、本日、審査を行いましたので、その結果についてご報告いたします。
第60号議案 令和4年度(2022年度)町田市一般会計補正予算(第2号)のうち、当委員会所管部分につきましては、討論はなく、採決の結果、全員一致をもって原案を可決すべきものと決しました。
以上で文教社会常任委員会の報告を終わります。
◆15番(東友美) おはようございます。まちだ市民クラブ会派の東友美でございます。
いまだウクライナにおける戦火が収束せず、多くの犠牲が生まれていることに、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げるとともに、一刻も早く平和な日常が戻ることをお祈りいたします。
それでは、会派を代表し、施政方針について代表質疑をいたします。
最初に、通告書の訂正をさせていただきます。(2)財政状況について、①、1行目の「、構造的収支不足」の削除をお願いいたします。
さて、高度成長期からおよそ半世紀がたちました。グーグルブックスによりますと、世界中の文献にエコノミックグロース、経済成長という言葉が使われた件数は、戦後急速に増加したものの2000年代には低迷、一方で、ハピネス、幸福は、2000年代を境に急激に増加しています。高度成長期、人々は経済的に豊かになることで幸せを感じていたのでしょう。国が成熟期を迎え、それが失われたとき、人々はお金だけではない別の尺度で幸せを感じようと、多くの研究がなされたことがうかがえます。バブル崩壊から30年、ウェルビーイング、幸福感の重要性が叫ばれるようになりました。世界第3位の経済大国である日本の幸福度は、世界第56位です。我々は、お金ではない別の幸せを得ることができたのでしょうか。
ある事象が進み一定程度成長した後に行うべきことは、転換です。少子高齢化が進む現在、社会情勢においても、財政情勢においても、我々は転換期にありますが、まだその入り口で先が見えないことから、人々は不安の中にあります。その気持ちに寄り添うとともに、誰もが自分らしく暮らせる明るい未来に導く、新型コロナウイルス感染症や武力での侵略等、予想もしなかった危機の中で、草の根でニーズを拾い上げ、取捨選択の見極めを高い精度で行い、住民の幸福感に寄与できる行政が必要とされていると強く感じるところであります。
さて、町田市におきましては、若者の転出改善や年少人口の転入超過、そして、コロナ禍における住宅選びの意識変化等により人口が徐々に増加し、43万1,000人を超えました。これまでの施策について、一定の効果が現れているものだと感じております。しかしながら、財政面を見ますと、事業見直し等、歳出を減少させるご努力をしているものの、財政力指数も以前1を割り込んでおり、また、コロナ禍でも増収したにもかかわらず、財政調整基金残高見込みが約57億6,000万円と、ここ数年で最も減少する等、厳しい状況であることがうかがえ、同時に、本年度の一般会計予算の民生費割合が53%と、構造的収支不足も顕著に現れております。この根本的な構造的収支不足は、今後、人口増加が仮に続いたとしても基本的には変わらないと認識しており、社会保障関連費のさらなる増大も懸念されています。さらには、物価も上昇し、市財政のさらなる圧迫だけでなく、市民生活単位での経済にも大きな影響を与えることが予測され、注視していく必要があると考えます。
施政方針にも掲げられていますが、これからは、選ばれる町になることが町田市の今後を左右するといっても過言ではありません。選ばれる魅力的な町になることで、若年層の流出を防ぎ、税収の減少を食い止め、増収させていくこと、同時に、市民全員が安心安全に幸福感を持って暮らしていくだけの社会保障を確保し充実させること、その両立、バランスが重要であると認識しております。現在の財政状況の中、市民の幸福感に寄与するために、どこに限られた財源を使うのか、今、現場に見合った事業の取捨選択が問われています。
その観点から、以下についてお伺いいたします。
まず、(1)新型コロナウイルス感染症について。
言うまでもなく新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活を変え、大きな影響を与えました。現在は感染が落ち着いているものの、次にいつ爆発的な感染が起こるか分かりません。市民を守るため、社会保障を確保する観点から、2点、お伺いいたします。
①現在までの市における新型コロナウイルス感染症対策の体制及び同ワクチン接種に対する取り組みについて、どの様に分析しているか。
②これまでの分析を踏まえ、今後どの様な方針での施策を進めていくのか。
次に、(2)財政状況について。
現在、世界的に経済が不安定な状況にあります。さらに、町田市においては、人口が推計と異なる動態を示す等、先が読みづらい状況に置かれています。この点をどのように捉えていらっしゃるのかについて、2点、お伺いいたします。
①新型コロナウイルス感染症及びウクライナ危機等による社会情勢の影響により、物価上昇等が懸念されている。この点において市としては市民生活にどの様な経済的影響を与えると想定しているか。また、市の事業においても今後物価上昇や資材の高騰が予想されている中で、どの様な対策を考えているか。
②生産年齢人口や年少人口の減少が全国的に課題となっている中で、町田市は人口が43万人を超えた。これは若年層の転出改善や年少人口の転入超過数が高いレベルで維持できている事が要因としてあげられる。こうした状況が税収等の財政面でどの様に反映されると考えているのか。また、今後この状況を維持するため、どの様な政策を考えているか。
次に、(3)「ここでの成長がカタチになるまち」について。
まちだ未来づくりビジョン2040にあるとおり、子どもが住み続けたいと思えることが選ばれる町の重要要素です。この要素を確立するためには、子ども自身が選ぶことのほか、我々大人が町田の子どもは町田で守るという意識と施策を持ち実行することも必須だと考えます。
4点、お伺いいたします。
①「児童相談所の誘致」について、現在の東京都との折衝状況は。特に、国や東京都の動きの中で誘致場所等の検討を早急に行う必要があると考えるが、市の取り組みは。また、児童虐待等から子どもの命を守るための町田市の体制強化が重要であると認識しているが、子ども家庭支援センター等の体制強化等についてはどの様な考えか。
②「(仮称)子どもにやさしいまち条例」の制定について、その目的とスケジュールは。条例を制定することで、具体的に子どもの生活環境がどの様に変化していくとイメージしているのか。また、「(仮称)子どもにやさしいまち条例」の制定と同時に「子どもコミッショナー/オンブズパーソン」を設置すべきと考えるがどうか。
③「町田市新たな学校づくり推進計画」について、統廃合により廃校となる学校のある場所の防災機能の継続が最重要課題であると認識しており、防災機能維持のためにも体育館等の施設を残す事も考えられる。その様な中、実際にはどの様に地域の防災機能を担保していくのか。
④「まちだの中学校給食センター整備」について、「多様な民間企業の高い専門性と、柔軟な発想や事業展開力をつないで」とあるが、具体的にどの様な取り組みを考えているのか。また、PFI手法等の官民連携について、どの様な事業者を想定しているのか。特に地元事業者との連携についての考え方は。
次に、(4)「わたしの“ココチよさ”がかなうまち」について。
仮に、コロナ禍における住宅選択の意識変化において町田が選ばれているのだとすれば、ちょっといい、ちょうどいい暮らしができる町としてのブランディングが既に一定程度成功していると評価できると感じております。この仮説が正しいとすると、この特徴をさらに伸ばし、町田のブランドとして確立していくことが重要であると考えます。
2点、お伺いいたします。
①「住環境として都市とみどりのバランスがちょうどよく」とあるが、町田市は住宅都市として発展しつつ、貴重な緑を残してきた。その環境を将来に渡り受け継いでいくために、どの様な姿勢でまちづくりを進めていくのか。特に緑地保全についての考え方は。
②鶴川駅や相原駅の駅周辺整備事業について、駅前広場や道路の整備事業が進められていく中で、それらを契機に駅前の魅力や賑わいの更なる向上が期待される。商業施設や商店街等、駅前の街並み形成についての考えは。
次に、(5)「誰もがホッとできるまち」について。
冒頭申し上げたとおり、選ばれる町になるには、社会保障の確保は必須であると同時に、財政難の現在、取捨選択もまた求められております。バランスをどのように取るかが重要になると考えます。
4点、お伺いいたします。
①「地域福祉コーディネーター」について、民生委員が欠員している中、自ら声をあげることのできない方をどの様に見つけ出すのか。また、地域福祉コーディネーターはどの様な人材が担うのか。
②「パートナーシップ制度」について、内容やスケジュール、市民生活への影響はどの様に考えているか。また、「一人ひとりがその人らしく生きるまちだプラン(第5次町田市男女平等推進計画)」への位置づけはどうなるのか。
③「芹ヶ谷公園“芸術の杜”」について、2022年第1回定例会での附帯決議の通り、現状ではまだ地域住民や関係諸団体との協議が必要であると認識している。今後の協議を進める必要性についてはどの様に考えているのか。現段階で実施設計は再開されているのか。また、実施設計を踏まえた整備事業にかかる予算規模についてはいつごろ示されるのか。さらに、公園整備に関しての基本的な考えはどうか。
④ゼロカーボンシティを実現するために、短期的視点では具体的にどの様な取り組みを行っていくのか。また「第3次町田市環境マスタープラン」を踏まえ、中・長期的にはどの様な施策を推進していくのか。
次に、(6)基本方針1「共創で新たな価値を創造する」について。
①経営基本方針の基本方針1において、「共創」の重要性が強調されている。この「共創」について、地域住民同士だけでなく、「地域住民と市との共創」も重要であると考えるが、現状をどの様に捉えているか。また、市の事業の企画・立案時点での地元住民との「対話」と「提案」が必要不可欠であると考えるがどうか。
次に、(7)基本方針2「対話を通して市役所能力を高める」について。
①「中核市ベンチマーキング」へ新たに着手する記載があるが、対象を中核市とした理由は。町田市が中核市となる意向があるのか。
最後に、(8)基本方針3「次世代につなぐ財政基盤を確立する」について。
市税の大幅な増収が見込めない中、多様な収入源を確保する必要があること、また、公共施設再編については、限られた資源で住民の幸福度を上げる努力をするべきであると考えることから、2点、お伺いいたします。
①「企業版ふるさと納税」について、拡充するに至った経緯は。特に現状、寄附件数が少ないという認識であるが、今後の寄附件数、金額の見込みは。また、事業拡充にあたり、積極的なPRが必要と考えるが、市の考えは。
②「公共施設の再編」について、教育センターの複合化や境川団地地区の再整備等が予定されている。この件について、地域住民、民間事業者、JKK、そして市が連携して取り組みを進めるべきと考えるが、市の考え方はどうか。
以上、壇上からの質疑といたします。
○議長(戸塚正人) 市長 石阪丈一君。
〔市長石阪丈一登壇〕
◎市長(石阪丈一) おはようございます。今日一日、代表質疑及び個人質疑でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
東議員からのまちだ市民クラブ会派による代表質疑についてお答えをいたします。
東議員からは、施政方針に関して、全部で8項目18点のご質疑をいただきましたので、順次お答えをさせていただきます。
初めに、(1)新型コロナウイルス感染症についての①新型コロナウイルス感染症対策の体制とワクチン接種に対する取組の分析についてお答えをいたします。
まず、新型コロナウイルス感染症対策に係る市の体制についてでございますが、町田市では、私、市長を本部長として副市長、教育長、各部の部長、消防団団長で構成する町田市新型コロナウイルス感染症対策本部会議を設置しております。この本部会議におきまして、感染拡大に伴う保健所業務の庁内応援体制の構築やワクチン接種の効果的な実施に向けた方策、緊急事態宣言等の発出に伴う公共施設の対応など、様々な点について議論し、決定をしております。これまで計58回の本部会議を開催しておりますが、こうした全庁を挙げた体制で臨むことで、新型コロナウイルス感染症に対する対策を迅速かつ的確に進めることができたと考えております。
次に、ワクチン接種に関する取組でございますが、市内の病院や診療所での個別接種や生涯学習センターなどの公共施設での集団接種を併用することで、お住まいの近くやかかりつけ医、通勤通学の途中などで接種ができる環境を整えてまいりました。
市民への周知につきましては、「広報まちだ」、ホームページやSNSなどの広報媒体を活用した情報発信はもとより、新たな接種が始まるごとに、ワクチンに係る基本的な知識や予約方法など接種に関する様々な情報を掲載した広報紙であります町田市新型コロナワクチン特別号を作成し、市内全戸に配布することで、ワクチン接種に関する正しい情報を提供しております。これらの取組のほか、新型コロナウイルスやワクチンの効果について解説した動画や若年層に向けた接種の啓発ポスターの作成なども行っており、市民の皆様へ、ワクチン接種に関する正しい情報を分かりやすくお伝えすることができているものと考えております。
次に、②のこれまでの分析を踏まえ、今後どの様な方針での施策を進めていくのかについてでございます。新型コロナウイルス感染症対策やワクチン接種に対する取組について様々申し上げましたが、これらの取組は町田市医師会など関係機関のご協力があって進めることができておりまして、今後もこの連携体制を継続していかなければならないと考えております。引き続き、保健所政令市としての強みを生かし、状況に応じた的確な対応ができるよう、一層気を引き締め、取り組んでいく所存でございます。
次に、(2)の財政状況についての①市民生活への経済的影響と市の事業における物価上昇、資材高騰への対策についてお答えをいたします。
初めに、市民生活への経済的影響についてでございますが、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢など、世界規模で不確実性が高まっております。既にコロナ禍で経済的に厳しい状況に置かれている中、原油価格や物価の高騰は、市民生活はもとより市内事業者にとってさらに厳しい状況となっていると認識しております。
次に、市の事業における物価上昇、資材高騰への対策についてでございますが、市の事業においても物価上昇、資材高騰の影響が長期化した場合には、歳出におきまして一般財源の持ち出しが増え、財政見通しが今より厳しくなる可能性が懸念をされております。先行きが不透明な状況であればこそ、まちだ未来づくりビジョン2040に掲げたなりたいまちの姿の実現に向け、着実に事業を実施し、未来を切り開いていかなければならないと考えております。
次に、②の若年層の転出改善や年少人口の転入超過についての税収等の財政面への反映とこの状況を維持するための政策についてのご質疑にお答えをいたします。
まず、税収等の財政面への反映についてでございますが、短期的には、児童福祉費や教育費を中心に多くの支出が見込まれ、市税の増収を上回ることから、財政的な負担が大きくなるものと認識しております。町田市5ヵ年計画22-26におきましては、これらの影響も反映した上で5か年の財政見通しをお示ししているところでございます。一方で、若年層や子育て世帯に向けた施策を積極的に展開し、町田市に愛着を持ち、町田に長く住み続けていただくことで、将来的には生産年齢人口が一定程度維持され、経済の活性化や安定的な市税収入といったプラスの財政的な効果をもたらすものと考えております。
次に、今後、この状況を維持するためにどのような政策を考えているかについてでございますが、この先、町田市においても人口減少が見込まれる中で、子どもたちが住み続けたいと思えるようなまちづくりを行うことは、将来にわたって選ばれる町の重要な要素であるというふうに考えております。まちだ未来づくりビジョン2040には、ライフステージごとに5つの政策、そして全世代に向けた4つの政策を掲げております。胎児期、幼児期につきましては赤ちゃんに選ばれるまちになるや、少年期では未来を生きる力を育み合うまちになる、青壮年期では自分らしい場所・時間を持てるまちになるなど、これら未来づくりビジョン2040に掲げる政策の実現を目指すことで、さらに多くの人に選ばれ続けるといった好循環が生まれるものと考えております。
次に、(3)の「ここでの成長がカタチになるまち」についてでございますが、①の児童相談所の誘致について、現在の東京都との折衝状況、誘致場所等の検討についての市の取組状況、町田市の体制強化の3点のご質疑をいただきました。
まず、東京都との折衝状況についてでございますが、市は東京都に対し、都立児童相談所の設置場所について候補地を提案する意思があることを伝えております。
次に、誘致場所等の検討の取組状況についてでございますが、現在、児童相談所が有している機能を踏まえ、施設の規模や利用者の利便性、市の関連部門等との連携しやすい環境などから候補地を選定するため、既に庁内にて検討を始めております。今後、選定した候補地を東京都へ提案をしてまいります。
最後に、子ども家庭支援センターの体制強化の考えについてでございますが、市内に児童相談所が設置されることで、子ども家庭支援センターをはじめ様々な関連機関とのより緊密な連携が可能となり、今まで以上に虐待等の緊急性に応じた迅速な対応を取ることが可能となります。また、都立児童相談所と町田市、そして地域との一体的な支援につながり、子どもに対する見守り体制が強化されることになります。これまで地域に根差しきめ細やかな支援を行ってきた子ども家庭支援センターと、高度な専門性を持つ都立児童相談所の双方のメリットを生かした連携を、町田市内において構築してまいります。
次に、②の(仮称)子どもにやさしいまち条例の制定について、その目的とスケジュール、条例を制定することによる具体的な子どもの生活環境の変化、条例の制定と同時に子どもコミッショナー/オンブズパーソンを設置すべきと考えるがの3点のご質疑をいただきました。
まず、(仮称)子どもにやさしいまち条例の制定の目的とスケジュールについてでございますが、(仮称)子どもにやさしいまち条例は、町田市子ども憲章にある子どもの権利を守るための大人の役割を明確化するものであり、子どもの権利条約の理念を広く浸透させることを目指すものでございます。あわせて、町田市子ども憲章やユニセフ日本型子どもにやさしいまちづくり事業等を踏まえ、町田市の子ども施策の基本となる法的な枠組みを定めることにより、子どもにやさしいまちのさらなる推進を図ってまいります。条例制定につきましては、現在、子ども政策の審議をお願いしております町田市子ども・子育て会議において検討部会を立ち上げ、内容について検討を進めていただいているところでございます。この検討部会には、条例に若者や子どもの考え方をしっかりと反映できるよう、大学生や高校生が委員に選出されております。策定までのスケジュールについてでございますが、2022年度は計5回の検討部会の開催を予定しております。10月に市内の小学生から高校生までの子どもと18歳以上の市民に対しましてアンケートを実施し、2022年度中に条例の骨子をまとめてまいりたいと思っております。来年度、2023年度にはパブリックコメントを実施し、秋には子ども・子育て会議から条例案の答申をいただいた後、本議会に諮る予定でございます。
次に、条例を制定することによる子どもの生活環境の変化についてでございますが、条例の制定によって、市民全体に子どもの権利についての考えが広く浸透し、そのことで子どもに関する施策の背景には、子どもの権利や子どもを守るための大人の役割があることが認識されることになります。現在、町田市が行っている様々な取組につきましても、子どもの基本的な権利を踏まえて改めて見直すことで、子どもに関する施策の効果を高め、子どもにやさしいまちの推進が図られるものと考えております。
この項の最後の3点目です。条例の制定と同時に、子どもコミッショナーやオンブズパーソンを設置すべきと考えるがどうかについてでございますが、まずは、市民の皆様に対し子どもの権利に関する意識の醸成を早期に図り、(仮称)子どもにやさしいまち条例の理念を様々な子ども施策に反映させることが重要だと考えております。そのため、今回の条例制定と合わせて設置することは想定をしておりません。一方で、近隣自治体におきましては、子どもの権利の侵害に対する救済や相談に応じる機関として導入している事例があるということも承知しております。引き続き、情報の収集等に努めてまいります。
次に、③の町田市新たな学校づくり推進計画に関して、どのように地域の防災機能を担保していくのかについてでございますが、市民の皆様に安心して生活いただくためにも、各地域における防災機能を継続して確保していくことは、市にとって大変重要だと認識しているところでございます。それは学校再編に当たっても同じであるというふうに考えております。現在、学校が担っている防災機能につきましては、学校跡地をはじめ、統合新設校や周辺施設等も含めて、その地域にとって最適な配置を検討し、引き継いでまいります。検討に当たりましては、地域ごとに施設の数や配置が異なり、さらには被害の程度が違うことも想定されます。また、この5月25日に東京都における震災時の被害想定が10年ぶりに改定をされております。この想定に基づき、各地域における避難者数を改めて推計をいたしました。それに応じた避難施設の配置や物資の供給の在り方など、市内の各地域における必要な防災機能を見直してまいります。
次に、④のまちだの中学校給食センター整備について、民間企業の高い専門性と柔軟な発想や事業展開力をつなぐために具体的に考えている取組、PFI手法等の官民連携における事業者の想定及び地元事業者との連携、その2点のご質疑をいただきました。
まず、民間事業者を活用した具体的な取組についてでございますが、町田市の中学校給食センターは、学校給食の安定的な提供という基本的な役割にとどまらない、多機能で効率的な施設運営を目指しております。今年3月に策定をいたしました「まちだの中学校給食センター計画~おいしく食べて地域みんなで健康に!~」では、学校給食を作り終えた後の時間、あるいは夏休みの期間などを活用して、地場野菜など食材を1次加工したり、学校以外にも配食サービスを行うなど、調理施設を最大限に有効活用することの重要性を位置づけております。その具体的な取組内容につきましては、来月7月から実施をいたします事業者公募におきまして、事業者からの提案を受ける予定でございますが、給食センターの稼働率を向上し、給食センターの活動やサービスの幅を広げることの重要性を事業者公募を通じて高く掲げ、民間事業者からの創意工夫あふれる取組を引き出してまいりたいと考えております。
次に、事業者の想定と地元事業者との連携についてでございますが、町田市が目指しておりますこのような柔軟かつ幅広な中学校給食センターの運営には、給食調理の専門事業者だけではなく分野や業種を超えた多様な事業者の参画が必須でございます。本事業におきましては、多様な事業者の皆様がそれぞれの得意分野を持ち合って、町田市の目指す姿を具現化しようとする総合力を発揮していただきたいと強く考えているところでございます。今般の事業者公募におきましては、市内事業者の事業参画や地域雇用、地域の活動団体とのコラボレーションなど、給食センターの事業全体を通して、多面的に町田市の地域経済の活性化に資する姿勢と具体的な取組を求め、評価をしていく予定でございます。
次に、(4)の「わたしの“ココチよさ”がかなうまち」についての①まちづくりを進めていく上での姿勢と緑地保全の考え方についてお答えをいたします。
まず、まちづくりを進めていく上での姿勢についてでございますが、本年、2022年3月に策定をいたしました町田市都市づくりのマスタープランの中でうたっておりますとおり、町田市の魅力は、都市的なにぎわいや活動、居心地の良い住環境、豊かなみどり・自然という3つの暮らしの要素がバランスよく身近に存在することであると認識しております。この3つの要素に関連性を持たせてつなぎ合わせ、その魅力を磨き上げ、さらに伸ばしていく、そのことで市民の暮らしの質がこれまで以上に向上するものと考えております。都心のベッドタウンだけではないこの町田だからこそできる魅力ある暮らしを楽しめるように、今後のまちづくりに取り組んでまいります。
次に、緑地保全の考え方についてでございますが、東京都が都内の市区町村とともに作成し、2019年5月に公表いたしました東京が新たに進めるみどりの取組におきましては、「東京の緑を、総量としてこれ以上減らさない」という大きな目標を掲げております。町田市におきましても、町田市都市づくりのマスタープランに基づき、自然の持つ多様な機能を社会資本整備に取り入れる、いわゆるグリーンインフラの推進や、多摩丘陵に連なる骨格的な緑や都市農地の保全に取り組んでまいります。また、既存の公園や緑地につきましては、使いやすく、過ごしたくなる快適な空間へリニューアルを進めております。そして、里山や緑地、農地や水辺といった緑を市民が主役となって使い、楽しむことができる仕組みを整えてまいりたいと考えております。
次に、②の鶴川駅や相原駅の駅周辺整備事業について、それぞれの駅前の町並み形成の考えについてでございますが、鶴川駅及び相原駅の駅周辺整備につきましては、地域の方々とともに、まちづくりの方針や構想をつくり、町の将来像の実現に向けた取組を進めております。
まず、鶴川駅前の町並みの考え方についてでございますが、地域一帯の生活を支え、人々が出会い、活動が生まれるにぎわいある都市拠点としていくことを目指しております。具体的には、駅周辺の道路や駅前広場などの再編を進め、安全で便利な交通機能の向上を図るとともに、土地区画整理事業などによる面的な市街地整備を進めてまいります。
次に、相原駅周辺の町並みの考え方についてでございますが、地域の生活を支える生活利便施設を充実させ、人々が集い、自然や歴史に触れながら、学び、楽しめる生活拠点としていくこととしております。そのため、町田街道の立体交差化事業に合わせて、駅前広場とこれに至る道路を整備し、商業機能や業務機能、そして良好な住環境の誘導を図ってまいります。今後も、地域の方々と描いた町の将来像を実現するため、地域とともにまちづくりを進めてまいります。
次に、(5)の「誰もがホッとできるまち」の①の地域福祉コーディネーターについてでございますが、昨今の急速な高齢化や家族形態の変化、近所付き合いの希薄化など、社会情勢が目まぐるしく変化し、市民の抱える困り事が複雑化、複合化している中、市内では2022年6月1日現在で210名もの民生委員の皆様が活動をされております。また、民生委員の欠員地区も多く、そうした地区については、近隣の民生委員の方に役割を補っていただいております。このように、民生委員の負担はますます増大していくものと認識しております。こうした状況の中、民生委員の皆様の負担軽減にもつなげるため、地域福祉の専門職である地域福祉コーディネーターを地域の中に配置してまいります。
ご質疑の民生委員が欠員している中、自ら声を上げることができない方をどのように見つけ出すのかについてでございますが、地域福祉コーディネーターは、相談を待つだけでなく自ら地域における各種の会議、イベント等への参加や民生委員の皆様をはじめとした地域の様々な支援関係者との連携を通じて、支援が必要な方々の情報を把握し、訪問、あるいは手紙などにより、本人と直接対面したり、継続的な関わりを持つことで適切な支援機関につなげてまいります。こうした公的支援を強化することで、迅速かつ適切な支援につなげてまいります。
次に、地域福祉コーディネーターはどのような人材が担うのかについてでございますが、この地域福祉コーディネーターは、福祉の特定の分野に限定することなく、広く相談支援を行うことから、高齢者、障がい者、子ども、保健等の複数の分野にまたがった知識を有する方に担っていただくことを想定しております。また、既存の公的支援では解決が図れない場合もございます。そうした際には、NPO法人などの地域団体と協働した支援を行う必要もありますので、これらの団体の情報に精通し、日頃から協力関係にある方を想定しております。
次に、②のパートナーシップ制度についてでございますが、このパートナーシップ制度につきましては、その導入により、性的マイノリティーの方の困り事や生きづらさの軽減、差別や偏見の解消に加え、性の多様性に関する社会的な理解の促進につなげることを期待しております。町田市では、2022年3月に策定をいたしました、一人ひとりがその人らしく生きるまちだプランの施策推進の方向性として、新たに性の多様性への理解の促進を掲げ、パートナーシップ制度の導入を位置づけたところでございます。本計画の策定に当たりましては、当事者の方やそのご家族との懇談の場を設け、日常生活における困り事や町田市に期待していることなどのお話を伺いながら検討を進めてまいりました。今後、今年度のできるだけ早期の導入を目指し、制度の形態や具体的な内容などの検討を進めてまいります。
次に、③の芹ヶ谷公園“芸術の杜”について、地域住民や関係諸団体との協議の必要性、実施設計を踏まえた整備工事費と公表時期、公園整備に関しての基本的な考えの3点のご質疑をいただきました。
まず、地域住民や関係諸団体との協議の必要性についてでございますが、芹ヶ谷公園“芸術の杜”事業の推進に際しましては、引き続き、地域住民や関係する諸団体との意見交換の機会を設け、対話を重ねながら事業を進めてまいります。
次に、実施設計を踏まえた整備工事費と公表時期についてでございますが、(仮称)国際工芸美術館整備につきましては、2022年度内の工事契約を予定しております。現在、実施設計を進めているところでございまして、実施設計を踏まえた整備工事費につきましては、第4回定例会でお示しをする予定でございます。
最後に、公園整備の考え方についてでございますが、国際工芸美術館の整備と一体で進めている芹ヶ谷公園の再整備につきましては、芸術の杜という大きなテーマの中で、公園という市民に開かれた身近な空間が多様なアートに親しむ入り口となることを目指しております。園内には、公園の案内や喫茶、本格的な版画制作ができる工房など、様々な機能を持つ施設を整備し、子どもから大人までアートの楽しさや創造の喜びを体験できる場としてまいります。公園という場所で芸術に触れ、体験を通して多くの人々が出会い、つながり、そして新たな価値を生む場となることを期待しております。今後も、地域の皆様のご理解をいただきながら整備を進め、町田の公園といえば芹ヶ谷公園と言われるような町田市を代表する公園にしてまいります。
次に、④のゼロカーボンシティーを実現するための短期的視点での取組と中・長期的に推進していく施策についてにお答えをいたします。
まず、町田市のこれまでの取組を申し述べさせていただきますと、町田市では2022年1月24日、今年の1月24日に市内の温室効果ガス排出量を、2030年度までに2013年度の148万9,000トンCO2から99万8,000トンCO2に削減し、2050年までには温室効果ガスの排出実質ゼロを目指す町田市ゼロカーボンシティ宣言を行いました。それを受けて、今年の3月には脱炭素化を含めた環境施策を推進するため、第3次町田市環境マスタープランを策定いたしました。
ご質疑をいただきましたゼロカーボンシティーを実現するための短期的な取組についてでございますが、町田市バイオエネルギーセンターの余剰電力について、鶴見川クリーンセンターでの利用をこの2022年4月から開始をいたしました。さらに、市内で出されたごみを使って発電した電力のさらなる活用について検討をしてまいります。また、住民の方々に向けましては、家庭用燃料電池、いわゆるエネファームの設置奨励金を新設し、来月7月から開始をいたします。
次に、中長期的に進める施策についてでございますが、その施策の一つといたしまして、家庭、事業所、公共施設での再生可能エネルギーの普及、導入を推進してまいります。例えば、各家庭や事業所の屋根を太陽光発電設備の設置場所として無償で提供し、その屋根の保有者が発電した電力を購入するPPAなど、新たな仕組みの導入を検討してまいります。また、市民、事業者の次世代自動車の普及を促進するとともに、市の公用車についても次世代自動車の導入を進めてまいります。こうした第3次町田市環境マスタープランに基づく取組を着実に推進することで、2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを目指してまいります。
次に、(6)の経営基本方針1の「共創で新たな価値を創造する」について、共創に対する市の捉え方についてと市の事業の企画・立案時における地元住民との対話と提案の必要性について、併せてお答えをいたします。
地域住民と市との共創に当たっては、企画、立案時点での地域住民との対話と提案が必要不可欠であるということを認識しております。まちだ〇ごと大作戦18-20+1の実行委員会の委員長であります町田市商工会議所会頭や、副委員長であります町田市町内会・自治会連合会会長からも、「市民が地域で自らやってみたいという提案に市役所の職員が寄り添い、企画案を一緒に創り上げるとともに、人と人とのつながりを生み出した。この市民主体の事業に行政が参加するという行政参加型の関わりが、大成功の要因であった」とのお言葉もいただいております。このまちだ〇ごと大作戦18-20+1は2021年末に終了いたしましたが、もちろんこうした関わり合いは、行政活動全般にわたって大切なことであるというふうに認識しております。今後も、この取組で培った経験をしっかりと生かし、企画立案時点での現場との対話と提案、これを大切にしながら、市民の皆様との共創による地域社会づくりに取り組んでまいります。
次に、(7)の経営基本方針2の中で示した中核市ベンチマーキングに関して、対象を中核市とした理由についてと、町田市が中核市となる意向があるのかについてお答えをいたします。
まず、ベンチマーキングの対象を中核市とした理由でございますが、最初に、地方公共団体の意義を踏まえた理念的な話をさせていただきたいと思います。住民にとって最も身近な地方公共団体である市町村には、地域の自主性、自立性を高めつつ、地域の実情に応じた個性豊かな地域社会をつくっていくことが求められております。こうした中で、指定都市や中核市は、その先導役としての責任と役割を果たし、主体的かつ総合的な行政運営を展開することで、おのおのの個性を積極的に発揮し、活力に満ちたまちづくりに取り組んでおります。私は、このような理念を実行している全国の自治体と比較をすることが今後の町田市における行政経営において大変有意義なものになるというふうに考えております。こうした考えを踏まえ、実際に自治体間の比較に取り組んでいくに当たっては、人口が50万人以上の都市である全国の指定都市を対象とするということも考えられますが、人口規模や財政規模などを鑑みますと、現実的には、中核市と比較していくことがふさわしいと考え、中核市を対象とすることといたしました。
次に、町田市が中核市となる意向があるのかについてでございますが、このたび中核市ベンチマーキングを行うこととした背景には、当面の施政方針でも申し上げたように、私が市長として務めてきた4期16年の中で実現した職員の勤務時間改革や複式簿記、発生主義会計方式の導入など、様々な行政経営改革を踏まえつつ、この4月から始動した新たな基本構想・基本計画の下、町田市のポテンシャル、あるいは成熟度をより一層高めていきたいという思いがございます。もちろんこの思いを具体化していく上では、中核市への移行も1つの選択肢となりますが、中核市ベンチマーキングの目的は、全国の中核市における機能や事務、そして、その効果等の比較分析を俯瞰的な視点で行い、町田市の強みや改善点を明らかにし、新たな気づきを得て視野を広げることで、今後の政策立案やさらなる行政経営改革につなげていくことと認識しております。
次に、(8)の経営基本方針3の①の企業版ふるさと納税について、対象事業を拡充するに至った経緯と今後の寄附件数と金額の見込み及び積極的なPRの必要性についてお答えをいたします。
まず、対象事業を拡充するに至った経緯についてでございますが、町田市では、2019年度に芹ヶ谷公園“芸術の杜”プロジェクトが国の認定を受け、企業版ふるさと納税制度の活用をスタートいたしたところであります。その後、国が制度の活用促進に向けて事業の認定基準を緩和したことで、以前は個別の事業ごとに認定を受ける必要があったものが複数の事業を一まとめに認定を受けることができるようになるなど、利用しやすい制度になりました。市では、これを契機にまちだ未来づくりビジョン2040の策定に合わせ、このビジョンで掲げた全ての事業を寄附の対象として位置づけることについて、2022年、今年の3月に国の認定を受けたところでございます。
次に、今後の寄附件数、金額の見込みと積極的なPRの必要性についてでございますが、どんな企業にどのくらい寄附をいただけるのかといった予測はできておりませんが、これまでは年に約3件ほどだったことから、ご指摘いただいたとおり、積極的なPRによって寄附件数を増やす努力が必要であるというふうに考えております。多くの企業に町田市に寄附しようと思っていただくためには、町田市のまちづくりに共感していただくことが重要なポイントになります。私をはじめ全ての職員が一丸となって町田市のシティプロモーションを積極的に行い、共感の輪を広げてまいります。
最後に、②の教育センターの複合化等における地域住民や民間事業者などとの連携の考え方についてでございますが、教育センターの複合化につきましては、この2022年度に施設整備に向けての基本計画を策定するという、総論から各論へと具体的な事業を進めていく段階となりました。この基本計画の策定に当たりましては、市民の皆様をはじめ現在施設を利用している方や施設の運営にご協力をいただいている関係団体の方々など、多くの方から引き続きご意見を伺ってまいります。また、改めて公共施設とは何かと考えてみますと、公共施設とは人々の生活に安定や安心をもたらすものであり、その多くが日々の営みを通じて、思い出や愛着のある施設になっております。このたびの教育センターの複合化を進めるに当たりまして、そうした背景を踏まえ、人々の思いをつなぎ、次の時代に即したものにしていきたいと考えております。そのためには、市民の皆様をはじめ近隣の商店やコラボレーションする事業者、また団地事業者であります東京都住宅供給公社などの民間の方々との連携が重要であると考えております。これらの方々とその対話を積み重ねることで、これから整備する教育センター複合施設が市民の皆様から愛される施設となるよう取り組んでまいります。
◆15番(東友美) それぞれご答弁いただきまして、ありがとうございました。自席より4点再質疑をいたします。
まず、鶴川駅や相原駅の駅周辺整備事業について、1点、鶴川駅、相原駅ともににぎわいがキーワードとして挙がっていますが、市の描くにぎわいについてお伺いいたします。
これまでのご説明ですと、端的に申し上げて、市は駅周辺の見た目をきれいに整備していくのだと認識しておりますが、その整備後のにぎわいについての道筋がいまいち見えておりません。この点については、同じくにぎわい創出を1つの目的としているモノレールについても課題となるであろうと感じております。巨大事業であるモノレール事業を成功させるのであれば、今回の鶴川駅や相原駅でのにぎわい創出という目標達成は必須ではないでしょうか。現状では、市は見た目をきれいにしてハード面を整えさえすれば、目標達成だと考えているのではと感じる部分もございます。市の描くにぎわいの創出とは一体どんなものなのでしょうか。ハード面を整え、きれいにした後のにぎわいの創出、つまり、本来の最終目標へ向けてもっと強く取り組むべきと考えますが、市長の考えをお伺いいたします。
次に、パートナーシップ制度について、1点、お伺いいたします。
会派としても数年前から強く求めてきたことでありますが、今年度のできるだけ早期に導入できるよう検討を進めていくとのことで、ありがとうございます。町田はこれを機にLGBTs先進市としてかじを切り、歩みを進めてほしいと感じているところであります。
一方で、本年11月に開始予定の東京都パートナーシップ宣誓制度(案)が先月示されました。しかしながら、その制度の内容について不足していると、LGBTs当事者から、また活動支援団体等から、不満の声も上がっております。市長が表明されました町田市におけるパートナーシップ制度に関しましては、東京都に追従し、東京都の制度をベースに考えるのではなく、例えば、当事者の子どもや親も含めたファミリーシップ制度やアウティングに関する規制の制定等、より先進的な制度も含めて検討すべきと考えますが、市長のお考えをお伺いいたします。
最後に、芹ヶ谷公園“芸術の杜”について、2点、お伺いいたします。
1点目に、これまで芹ヶ谷公園・文化ゾーンネットワークと協議をしながら事業の構築案を決めてこられたものと認識しておりますが、数多くある公園の中でも、町田の公園といえば芹ヶ谷公園といわれる、そのような象徴的な存在とするためには、広く市民から愛される公園にしなければならないと考えます。そこで、芹ヶ谷公園・文化ゾーンネットワークに所属していない大多数の幅広い市民の意見について、どのように収集し反映してきたのか。また、今後の市民参画や市民との協議についてはどのようにお考えでいらっしゃるのか、市長のお考えをお伺いいたします。
最後に、現在の社会情勢として、芹ヶ谷公園“芸術の杜”構想を策定した当初からは想定できなかったような急激な物価高騰、また各種資材の納入の遅延が発生しております。これらについて、限られた財源の中、どのように対応していく方針でいらっしゃるのか、市長のお考えを4点お伺いいたします。
○議長(戸塚正人) 市長 石阪丈一君。
〔市長石阪丈一登壇〕
◎市長(石阪丈一) 4点、再質疑をいただきました。
まず、鶴川駅、相原駅の駅周辺再整備の事業についてでございます。
ご指摘のように、目的が形をつくることではなくて、それぞれの地区のにぎわいをつくる、それが目的でございますので、その点は、ご指摘のありましたモノレールの駅の整備についても、周辺駅についても同じだというふうに思っております。これまで、まちづくりに関わる地域の方々と、これは鶴川も、相原もそうですが、将来像を一緒になって描いていく、共有をすることが重要ということで進めてまいりました。既に地域の皆さんと将来像を描いておりますが、この中で、やはり今後の経済活動、市民活動、そういったものをどうしていくかということが、最終的にそれが形にはならなきゃいけないんですが、それをベースに議論をしておりますので、それがあって初めて、地区計画などの都市計画決定の変更とか決定というところに来ているわけでありまして、道路をはじめとする都市基盤の整備というのは、にぎわいをつくるための活動の基盤だというふうにご理解をいただければありがたいかなと思います。
こうした上で私どもは、先ほどもちょっと申し上げましたが、市民が、あるいは事業者がにぎわいをつくるための事業の推進に行政が参加するという行政参加型と申しましたが、後押しをする、支援をする、そういうスタイルで鶴川についても、相原についても進めてまいりたいというふうに考えております。
それから、パートナーシップ制度についてでございます。今、ファミリーシップ等のお話がございました。私ども町田市におけるパートナーシップ制度につきまして、お話のとおり、当事者の意見を十分に聞きながら進めていくということが非常に大事だというふうに思っております。その上で、今、他の自治体の様々な制度の比較検討を進めておりますが、その中で町田市独自の制度を構築できるように努めてまいりたいと考えております。
それから、芹ヶ谷公園“芸術の杜”についての2つの再質疑にお答えします。
まず、芹ヶ谷公園“芸術の杜”に関しまして、芹ヶ谷公園・文化ゾーンネットワークに所属していない市民の皆さんの意見をどのように収集し、反映をしてきたのかとのご質疑でございますが、国際版画美術館と(仮称)国際工芸美術館を一体的に整備する計画につきましては、2019年から基本設計に着手し、以来、芹ヶ谷公園・文化ゾーンネットワークのほか、芹ヶ谷公園近隣の町内会・自治会の方々などと様々に意見交換を重ねてまいりました。その中で、利用しやすいエレベーターにしてほしいというご意見やデッキスロープや新たな橋――これはもみじ園の上の橋のことですが――の建設はやめてほしいというご意見など、様々なご意見を頂戴し、計画の一部見直しを行ってきたところでございます。
そして、先月5月26日と29日には、広く市民へ説明する機会といたしまして、芹ヶ谷公園“芸術の杜”パークミュージアム整備計画説明会を開催いたしました。また、国際版画美術館の版画工房の利用者の方々からこれまでにいただきました意見などを反映し、新たな工房の基本計画案について5月22日と26日にご説明をさせていただき、意見交換をさせていただいたところでございます。今後も、多くの方々のご意見、ご要望を聞く機会を設けて、皆さんの理解を得ながら、事業を進めてまいりたいと思います。
最後に、財源のお話がございました。限られた財源の中でということでございます。事業費や財源につきましてはどのように対応していく方針なのかというご懸念をいただきました。(仮称)国際工芸美術館の実施設計に当たりましては、整備工事費をできる限り縮減する、そのことを念頭に作業を進めている最中と申し上げたいと思います。
◆15番(東友美) まちだ市民クラブ、立憲民主党の東友美でございます。
通告に基づき、2項目に関して一般質問をいたします。
まず、1項目め、道路や公園等の樹木についてでございます。
まず、冒頭お伝えさせていただきたいのですが、私は動植物ともに大好きで、非常に大切な存在だと考えております。個人的に根底にある思いといたしましては、理由がどうあれ、木1本切ることにも抵抗の気持ちを持つところでありますが、議員としてここに立っておりますので、複合的な観点から質問をさせていただきます。
さて、ここ数年、特に全国的にも街路樹に関するニュースが多く報道されるようになりました。今年はさらに件数が多いように感じます。代表的なものは、千代田区で起きている神田警察通りの整備に伴う街路樹伐採問題で、歩行者や自転車用の通路を整備する工事の際に、沿道のイチョウ32本のうち30本を伐採、2本を移植するというものです。この整備工事は区議会で可決したものの、区議会が求めていた住民向けの説明会が伐採通告の直前まで行われず、さらに、実際には行っていないパブリックコメントを行ったかのような説明を区がしていることが発覚すると、責任が問われ、沿道住民がイチョウの保存を求めているものです。沿道住民が座込みを行うほか、住民監査請求が行われている中でも、区は計画を粛々と進めるとし、問題が深刻化しております。
一方で町田では、街路樹の撤去を進めていく方針であると発表しています。街路樹は地域住民にとって非常に重要な存在であり、撤去する際には、地域住民との十分な話合いが必要であり、合意を得る必要もあると考えますが、どのように街路樹の方向性を決めていくのでしょうか。
以上の観点から、2点お伺いいたします。
(1)街路樹の撤去についての現状は。
(2)千代田区では「神田警察通り」の整備に伴う街路樹伐採問題が発生しているが、町田市では撤去する街路樹の選定についてどのように住民合意を得ているのか。
次に、国土交通省が令和4年2月に策定した街路樹管理マニュアルによりますと、街路樹とは、道路景観の向上や沿道環境の保全、快適性の確保等を目的として、道路空間に植栽されるものであり、それだけでなく、防災や地域のシンボルとして大切な存在です。中でも桜は、その美しさ、はかなさから多くの市民に愛されております。しかしながら、市内の桜は植樹から50年以上経過するものも多く、大木化していることから、花弁――花びらです――葉が大量に落下し、1年のうち数か月間もの間、毎年、沿道住民はその落下物に悩まされており、中には桜を切ってほしいというご意見もいただきます。
昔はよかったのかもしれません。木もほどほどの大きさで、ご近所付き合いの中から清掃活動も続けられたのだと思います。しかしながら、時はたち、高齢化と孤立化が進み、木は巨大になりました。この環境では切ってほしいという方のお気持ちも理解できます。かといって、多くの市民に愛されている桜を切るという決断は、なかなか難しいと考えております。そのあたりのバランスをどこで取るのか、多くの市民の益と同時に沿道住民への配慮も必要と考えます。
以上の観点から、お伺いいたします。
(3)街路樹や公園の「桜」について、貴重な資源である反面、大量の花弁や葉の落下により沿道住民に多大な負担がかかっている。このことにおける市の見解は。
次に、街路樹に関する計画を策定する自治体がここ数年で増加しております。特に約10万本の街路樹を抱える名古屋市が昨年10月に策定した「名古屋市街路樹再生なごやプラン~次世代へつなぐ持続可能な街路樹づくり~」では、まちづくりと街路樹の関係性だけでなく、限られた予算の中での計画、木の更新や剪定、撤去について分かりやすく記載されており、こういった計画はこれからのまちづくりにおいて非常に重要だと感じました。一方で、町田では街路樹を撤去していく方針を発表していますが、具体的な計画が示されておりません。やはり街路樹へ重点的に手を入れていく以上、市民が見て分かる分かりやすい計画が必要だと考えます。
以上の観点からお伺いいたします。
(4)撤去する街路樹に基準はあるのか。無いのであれば、街路樹の保全や撤去に関する計画や基準を定めるべきと考えるがどうか。
次に、話は替わりますが、タマノホシザクラという桜がございます。多摩丘陵で2004年に発見された野生の桜で、少し古いですが、2014年に発表された文献によりますと、町田市、八王子市、多摩市の3市に177本しか存在しない国及び東京都のレッドデータリストにおいて、絶滅危惧IA類に分類されている希少種です。広く多くの方に知っていただきたいので詳しくお話ししますが、この桜は野生のエドヒガンザクラとマメザクラが交雑した新種だと考えられております。ところが、タマノホシザクラの分布域には野生のエドヒガンザクラは存在せず、さらに、三倍体植物であるため遠くから運ばれてきたとも考えられず、その誕生は謎に包まれています。一説には、昔、相模川が流れていたその流路跡とエドヒガンザクラの分布域に関係があるとの説もあり、植物学だけでなく地質学的にもロマンあふれる大変貴重な種であります。3市にまたがって分布していますが、町田以外のほかの2市にはほかの種類の桜と間違われて人為的に運ばれたもので、本来の自生地は町田だけだとも言われている、ぜひ町田としても守っていきたい桜であります。野生の桜は人の手なしには生育が難しいこともあります。町田のシンボルとして、タマノホシザクラを積極的に保全すべきであると考えます。
以上の観点から、お伺いいたします。
(5)町田市を含むごく一部の地域にのみ自生し、絶滅危惧ⅠA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)に分類されているタマノホシザクラは積極的に保全すべきであると考える。市の取組状況は。
次に、表題2、下水道インフラのデジタル化についてでございます。
近年、水道、下水道分野においても多くのAI研究がなされております。特に令和2年度に行われた豊田市でのAIとビッグデータを用いた管路劣化診断は注目を集めました。これは、これまで自治体が蓄積してきた配管や漏水データに宇宙ビッグデータから取得した環境情報、衛星画像を合わせ、管路のどの部位が漏水しているか、また、将来的にどの部位が何%の確率で破損するかを市内全域一目で見られるようになるもので、従来の方法に比べ、大幅なコストの削減に成功いたしました。AIの発達が目まぐるしいのは、下水道分野においても同じで、これまでカメラの映像を人が確認し、管路の損傷箇所を確認していたものをAIに解析させることで、30メートル当たり15秒でチェックが完了する技術をはじめ、複数の事業者が下水道管路に関するAI活用事業に介入しております。
町田市においては、一昨年度より下水道管渠の点検、調査が実施されておりますが、耐用年数の関係から、これから経費が大幅に増加することが予測されております。そういった状況下で、経費削減ができ、かつ、より充実したスマートシティーとして市民生活に貢献できる手法を取れるのであれば、こういったAIを用いた手法の採用も積極的に検討すべきだと考えます。
以上の観点から、2点お伺いいたします。
(1)下水道管の改築更新について、近い将来本格的に行うものと認識している。その予算規模、また改築更新する下水道管の選定基準はどのようになっているか。
(2)愛知県豊田市では宇宙ビッグデータを活用したAI診断で水道管の劣化診断を行うことにより、大幅なコストの削減に成功している。町田市においてもより充実したスマートシティ実現のために下水道管の劣化診断にAIを活用してはどうか。
以上、壇上からの質問といたします。
○議長(戸塚正人) 市長 石阪丈一君。
〔市長石阪丈一登壇〕
◎市長(石阪丈一) おはようございます。本日も一般質問4日目でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
東議員のご質問につきましては、担当からお答えを申し上げます。
◎道路部長(萩野功一) 項目1の道路や公園等の樹木についての(1)から(4)についてお答えいたします。
まず、(1)の街路樹の撤去についての現状はについてでございますが、町田市が管理する街路樹は約1万6,000本ございます。そのうち、道路の安全性に支障をきたすものや老朽化したものについて撤去を行っております。過去3年間の撤去本数は、2019年度86本、2020年度103本、2021年度471本でございます。
次に、(2)の千代田区では「神田警察通り」の整備に伴う街路樹伐採問題が発生しているが、町田市では撤去する街路樹の選定についてどのように住民合意を得ているのかについてでございますが、町田市では、街路樹を撤去する際、沿道の町内会や自治会と調整を行っており、合意形成を図るように努めております。
次に、(3)の街路樹や公園の「桜」について、貴重な資源である反面、大量の花弁や葉の落下により沿道住民に多大な負担がかかっている。このことにおける市の見解はについてでございますが、桜の花びらや落ち葉が道路に散乱し、その清掃等において沿道住民の方にご負担がかかっていることは認識しております。そのため、桜が多く植樹されているつくし野の郵便局さくら通りや図師町のさくら通りでは、2021年度から、落ち葉の時期に合わせて路面清掃による清掃頻度を増やしております。
最後に、(4)の撤去する街路樹に基準はあるのか。無いのであれば、街路樹の保全や撤去に関する計画や基準を定めるべきと考えるがどうかについてでございますが、町田市では、2021年度に街路樹管理方針を取りまとめ、街路樹を撤去する際の基準を整理いたしました。2022年度からは、街路樹を重点的に管理、保全していく路線を選定するなど、街路樹管理計画の策定に着手する予定でございます。
◎都市整備担当部長(平本一徳) 項目1の(5)の町田市を含むごく一部の地域にのみ自生し、絶滅危惧ⅠA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)に分類されているタマノホシザクラは積極的に保全すべきであると考える。市の取組状況はについてお答えいたします。
タマノホシザクラにつきましては、東京における自然の保護と回復に関する条例で、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いものに指定されていると認識しております。2015年に、小山片所土地区画整理事業区域内で自生していたタマノホシザクラなどの希少種を、地元の方々と土地区画整理組合が協力して、区域外へ移植が行われました。その後2017年に、その移植地を緑地として都市計画決定したものが町田市の公園である小山片所谷戸緑地でございます。現在、その緑地内には約30株が育成しており、地域ボランティア団体の方々と協働で保全しております。また、「まちだ生きもの探しマップ」におきまして、貴重な植物として紹介しております。今後も、タマノホシザクラを観察会や町田市公式ホームページなどで積極的に紹介し、保全に努めてまいります。
◎下水道部長(荻原康義) 項目2の下水道インフラのデジタル化についてにお答えいたします。
まず、(1)下水道管の改築更新について、近い将来本格的に行うものと認識している。その予算規模、また改築更新する下水道管の選定基準はどのようになっているかについてでございますが、下水道管路施設全体の状況を把握、評価し、長期的な施設の状態を予測しながら、計画的かつ効果的に管理するため、下水道管路施設全体の約1,660キロメートルを対象とした町田市ストックマネジメント計画を2018年3月に策定しております。
この計画では、まず、優先順位の高いエリアから簡易調査を行っております。調査範囲や優先順位については、下水道管の材質、経過年数などの基本情報に加え、重要度、修繕履歴などの評価分析を行い、選定しております。簡易調査の結果、下水道管に破損やひび割れなどがあるものについては、さらに詳細調査を行っております。この詳細調査の結果から適切な工事手法を選択し、改築、更新などを行うことで、維持管理コストの低