2019年3月議会においては
1 認知症施策について
2 生産緑地について
3 ひかり療育園について
4 姉妹都市について
の4テーマを取り上げさせていただきました。
以下に質問全文を掲載いたします。
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◆1番(東友美) おはようございます。町田市民クラブの東友美でございます。
議長のお許しをいただきましたので、通告に基づき、4項目に関して質問をさせていただきます。
まず1項目め、認知症施策についてでございます。
認知症についての説明は、既に7番議員からございましたので、割愛させていただきます。施策に関しまして、国におきましても、本年5月をめどに認知症施策推進総合戦略――以下、新オレンジプランとさせていただきます――を改定、また認知症カフェを全市町村で展開すると発表されるなど、高齢化の現在、認知症施策がどの自治体においても重要なものと認識されているのはご承知のとおりでございます。
町田市の認知症施策は、メディアにも取り上げられるなど、他市と比較しても進んでいると私も実感しております。それらを踏まえた上で、認知症当事者の方とお話しし、さまざまな施策を読み込んでいく中で、認知症当事者の人権を保障すること、そして当事者の方はもちろんのこと、家族介護者の方への必要な支援が行き届くことが非常に重要なことであると、私は強く感じております。
2018年9月定例会にて、若年介護者についての質問をさせていただいた際に申しましたとおり、私は20代のころ病気の母を介護しておりました。母の病状が進むにつれ、アンモニアが体内でうまく処理できなくなり、脳までアンモニアが到達するようになりました。アンモニアというのは有毒な物質であり、脳に到達するとさまざまな悪影響を及ぼします。その1つに、認知症様の症状があらわれることがございますが、私の母はまさにその状態でございました。私の場合は、母が市民病院に入院しているときにその症状が出現したため、家族の負担も比較的軽いものであったとは思いますが、もしあの状況が自宅で起こっていたらと考えると、家族の負担や生活に及ぼす影響は非常に大きなものであると想像するにかたくありません。
実際に、家族介護者交流会においても、介護者から不安の声を多くお聞きしますが、残念ながら国が掲げております新オレンジプランの7つの柱の1つである認知症の人の介護者への支援に関しましては、国として具体的な施策が余り示されていない現状がございます。
町田市におきましては、第7期町田市介護保険事業計画において、家族介護者支援を重点項目とし、家族介護者教室の開催や相談事業、認知症カフェの開催等の取り組みを進めていただいておりますが、当事者の視点から認知症の方の家族介護者の方が抱える介護問題を明らかにし、問題解決に向けた取り組みの効果を検証して、有効な家族介護者支援のシステムを構築することが重要であると考えます。
そこで本日は、7番議員と重複しない範囲で、家族介護者への支援を中心に、以下の4点についてお伺いいたします。
(1)新オレンジプランについて町田市の進捗状況は。
(2)高齢者を地域で支える取組みは。
(3)家族介護者支援の取組みは。
(4)認知症本人の意見をどのように施策に反映させているのか。
次に、項目2、生産緑地についてでございます。
農業に関しましては、我が会派森本代表より、今議会で既にご質問がございましたので、私は生産緑地についてのみ質問をさせていただきます。
都市にある農地は、その多くが生産緑地として指定されております。生産緑地制度は営農を30年間継続するものでございますが、ほとんどの生産緑地が2022年に、その期限である30年を迎えます。この30年を迎えますと、死亡や故障といった理由がなくとも、生産緑地の指定を解除することができるようになります。その期限を迎えた際に、所有者の方が営農を継続されない場合、都市の生産緑地の減少が加速し、宅地化が進むことが広く懸念されております。
人口減少が進む現在、生産緑地であった場所が宅地化される。つまり、住む人がいないのに宅地がふえるという、宅地の需要と供給のバランスが崩れることは、都市農業の衰退だけではなく、宅地の地価の暴落につながることが想定されるなど、さまざまな懸念が多く示されております。そして、これらが都市問題化していくことを、いわゆる生産緑地2022年問題と呼んでおります。
その問題を解決するため、国は2016年に都市農業振興基本計画を定めました。こちらの計画は農地政策を大きく転換させ、生産緑地2022年問題の対応を本格化させたもので、農業を都市政策、農業政策の双方から再評価し、都市農地の位置づけを宅地化すべきものから都市にあるべきものへと変化させ、さらに、都市の貴重な緑のオープンスペースの1つとして農地を位置づけたものであります。そして、2017年に生産緑地法が改正され、新たに生産緑地にするための要件緩和や直売所、農家レストランの許容がなされ、2018年には特定生産緑地制度が施行されました。
特定生産緑地制度は、生産緑地指定から30年が経過した後も継続して営農環境を保持するため、農業従事者が指定申請を行うものであり、農地を保全していく上で効果のある制度であると考えております。また、同2018年には都市農地の貸借の円滑化に関する法律が施行され、これまで貸借するにはさまざまな課題が指摘されていた生産緑地の貸借を行いやすくするための制度ができました。
このように、都市農地をめぐる制度が整いつつある中、私も、いわゆる生産緑地2022年問題に関しまして、2018年3月議会にて質問、また問題提起をさせていただきました。それから1年が経過したことから、町田市の現状を確認させていただきたく、以下についてお伺いいたします。
(1)いわゆる「生産緑地2022年問題」に対し、これまでの取組み状況は。
続いて3項目め、ひかり療育園についてでございます。
ひかり療育園に関しましては、町田市5ヵ年計画17-21、また公共施設再編計画等に基づき、今後の運営に関しての検討が現在も進行していると伺っております。しかし、両計画に記載されております民間活力の導入に関しまして、特に利用者の保護者の方々から心配する声が私のもとへも届いております。中でも、よくお聞きしますのは、民営化した場合、今と同じサービスが受けられなくなるなどサービスが低下するのではないか、また、無料で今受けているサービスが有料になるのではないかという保護者の方々の不安の声でございます。
民間活力の導入に関しまして、まだ決定していないことはヒアリング等で確認させていただいておりますが、いずれにしても将来的に保護者の方々の不安の声が現実とならないような形で検討を行っていただくことを私からもお願いするところでございます。
そこで、以下の点についてお伺いいたします。
(1)運営に関する今後の方向性について。
最後に項目4、姉妹都市についてでございます。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、南アフリカ、インドネシア、中国が、また、ラグビーワールドカップではナミビアが町田市を事前キャンプ地とすることが決定したほか、オリンピック・パラリンピック参加国との相互交流を図ることを目的に南アフリカのホストタウンとなり、ネルソン・マンデラ国際デー等の取り組みを行うなど、町田市において、現在国際的な交流の機運が高まってきております。
また先日、市長より発表されました平成31年度施政方針におきましては、町田市ならではの英語教育、えいごのまちだ事業をさらに推進していくものが強調され、国際的な交流を含んだ教育や語学習得の機会としても、今が姉妹都市締結のよい機会だと思う次第でございます。
そこで、今回は、外国と町田市との関係について、以下の点についてお伺いいたします。
(1)姉妹都市についてどのように考えているのか。
以上、壇上からの質問とさせていただきます。
○議長(若林章喜) 市長 石阪丈一君。
〔市長石阪丈一登壇〕
◎市長(石阪丈一) おはようございます。本日、一般質問の4日目でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
東議員のご質問につきましては、担当からお答えを申し上げます。
○議長(若林章喜) いきいき生活部長 奥山孝君。
◎いきいき生活部長(奥山孝) 項目1の認知症施策についてにお答えいたします。
まず、(1)新オレンジプランについて町田市の進捗状況はについてでございますが、国が2015年1月に策定した認知症施策推進総合戦略、新オレンジプランは、認知症高齢者等にやさしい地域づくりを推進していくための7つの柱を掲げ、行政、民間、地域住民がそれぞれ役割を果たしていくことを求めています。そのうち、市町村に実施するよう求められている事業は5つあり、町田市は他市に先駆けて、これらの事業を進めてまいりました。
1点目は、認知症初期集中支援チームの設置です。市では、2014年8月に都内2番目となるチームを設置し、対象者への訪問を開始しています。なお、2015年4月からはチーム数を4チームにふやし、市内全地域での活動を開始しています。
2点目は、認知症ケアパスの作成です。市では、2015年4月に都内初となる認知症ケアパス、「知って安心認知症」を発行いたしました。
3点目は、認知症地域支援推進員の配置です。市では、2013年度から全国に先駆けて高齢者支援センターに認知症地域支援推進員を配置してまいりました。現在では45名を配置し、認知症に関する相談事業を実施しています。
4点目は、認知症サポーターの養成です。市では、認知症サポーターの養成を2007年度から実施しており、現在までに約2万6,500人の方が受講しています。
5点目は、認知症カフェの設置です。市では認知症カフェをDカフェと呼び、市内全8店舗のスターバックスコーヒーにご協力いただき、2017年10月から毎月1回Dカフェを開催しています。
次に、(2)高齢者を地域で支える取組みはについてでございますが、市では認知症の方を地域で支える取り組みの1つとして、認知症サポーターの養成を進めています。2018年度は市内12カ所の高齢者支援センターを中心に、認知症サポーター養成講座を86回開催し、3,095人が受講しました。また、認知症サポーターとなった方が認知症についての理解をさらに深めることを目的とした認知症サポーターステップアップ講座を開催し、44人の認知症サポーターの方が受講しました。ステップアップ講座を修了された方には、活動の場として、認知症の方やご家族と集う場を紹介し、家族介護者の交流会等にて活躍いただいております。
さらに今年度は、若い世代への認知症に対する正しい理解や知識の普及啓発を図るため、小・中学生などを対象に、認知症サポーター養成講座を実施いたしました。引き続き、これらの取り組みを進めてまいります。
次に、(3)家族介護者支援の取組みはについてでございますが、市では、介護するご家族が必要な知識や技術を学ぶことを目的とした家族介護者教室や家族介護者同士が情報交換できる場としての家族介護者交流会、認知症本人やその家族の方が社会とつながる居場所づくりを目的としたDカフェを開催し、家族介護者に対する支援を推進してきました。
また、身近なところで認知症のことを相談できる認知症電話相談事業のほか、介護者の精神的な負担軽減のために臨床心理士等による介護者相談事業も実施しています。
次に、(4)認知症本人の意見をどのように施策に反映させているのかについてでございますが、市では、Dカフェの開始に当たり、認知症のご本人から社会とつながりを持ちたい、正しい理解をしてほしいなどのご意見を直接伺い、その意見に基づいてカフェの開催スタイルを設計しました。Dカフェの名称やロゴマークもご本人たちの意見を反映したものとなっています。
また、認知症サポーター養成講座では、より多くの方が認知症本人の思いを知り、認知症についての理解を深めることができるよう、認知症ご本人に思いを語ってもらう、ご本人が出演する動画を見てもらうなど、講座内容を工夫しています。2018年11月にはまちだDサミットを開催し、認知症本人による基調講演やパネルディスカッションを通じて生の声を発信してもらい、認知症に対する正しい理解や知識の普及啓発を図りました。
○議長(若林章喜) 都市整備担当部長 萩野功一君。
◎都市整備担当部長(萩野功一) 項目2の生産緑地についての(1)いわゆる「生産緑地2022年問題」に対し、これまでの取組み状況はについてお答えいたします。
町田市は2022年問題に対応するため、2018年10月に特定生産緑地に指定する条件を定めた町田都市計画生産緑地地区内における特定生産緑地指定等に関する要領を施行いたしました。あわせて、都市の農地、農業に関するアンケートを実施し、特定生産緑地への移行に向けた動向の把握を行いました。
また、特定生産緑地制度の周知活動に先立ち、2018年12月26日町田市農業協同組合と町田市内の都市農地の保全に関する連携協定書を締結し、特定生産緑地の指定促進に向けた協力体制を整え、2019年1月30日から2月7日まで特定生産緑地制度等説明会を町田市内の5地区において延べ12回開催し、約270名の方が来場されました。
○議長(若林章喜) 地域福祉部長 神田貴史君。
◎地域福祉部長(神田貴史) 項目3、ひかり療育園についての(1)運営に関する今後の方向性についてお答えいたします。
ひかり療育園事業のあり方の見直しにつきましては、2017年9月から2018年11月にかけて、外部有識者等による町田市ひかり療育園あり方検討会を設置し、検討を進めてまいりました。この検討会では、多くの利用者及びご家族から、サービス水準の維持や充実を望む声が上がっていることについて、検討会開催の当初から委員にお伝えし、共通の認識を持っていただいた上で議論を行ってきたところです。
現在は庁内で関係部署による検討組織を立ち上げたところでございます。この検討組織では、町田市ひかり療育園あり方検討会の結果を受けてさらなる検討を進め、2019年度内にひかり療育園の各事業のあり方について方針を決定する予定でございます。今後につきましても、利用者及びご家族のご意見を丁寧に聞き取りつつ、将来にわたってサービス水準を維持し、より充実できるよう検討を進めてまいります。
○議長(若林章喜) 政策経営部長 小島達也君。
◎政策経営部長(小島達也) 項目4の姉妹都市についての(1)姉妹都市についてどのように考えているのかについてお答えいたします。
町田市は、オリンピック・パラリンピック参加国との相互交流を図ることを目的に、南アフリカ共和国のホストタウンとなり、ネルソン・マンデラ国際デー等の取り組みを行っております。また、この南アフリカのほか、インドネシア、中国の計3カ国が本市で事前キャンプを実施することとなり、これら選手団と市民との交流を検討しております。
しかし、現在この3カ国を含め、海外都市と姉妹都市としての締結はございません。姉妹都市締結に当たりましては、市民や事業者等による海外都市との交流が継続、発展する中で、両都市において、機運が盛り上がることが重要と考えております。そして、両都市において、その目的や意義を十分に考慮し、交流を継続することが姉妹都市締結へと発展するものと考えております。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) それぞれご答弁いただきましてありがとうございます。
それでは、自席より再質問をさせていただきます。順番でございますが、項目3、1、4、2の順番に行わせていただきます。済みません、ちょっと難しいんですけれども、3、1、4、2です。
まず、項目3、ひかり療育園についてでございますが、先ほどご答弁いただいた中で、検討会の委員の皆様には、当初から利用者の方やご家族の方がサービス水準の維持や充実を望んでいることをお伝えいただいた上で、さらに共通認識を持って議論を進めていただいているというご答弁をいただきまして、そちら承知しました。今後の方針に関しましては、これから決まるということでございますので、最後まで利用者の方やご家族の方のご意見を大切に、そして適切に反映しながら、検討を進めていただくことを改めてお願いいたしまして、ひかり療育園に関しましては終了させていただきます。
続いて項目1、認知症についてでございます。
ご答弁をお聞きしている中で、改めて町田市は認知症施策をほかの自治体に先駆けて進めてこられたことを再認識いたしました。特に町田市が取り組まれている認知症カフェであるDカフェは、やはり町田市の認知症施策の重要な位置づけを担っていると感じます。
そこで、Dカフェに対する町田市の評価と今後の展開についてお教えください。
○議長(若林章喜) いきいき生活部長 奥山孝君。
◎いきいき生活部長(奥山孝) Dカフェの評価と今後の展開はということなんですけれど、Dカフェは2017年10月から市内のスターバックスコーヒー8店舗全店で毎月開催しております。認知症のご本人やご家族の方も多くご参加いただいております。毎回参加している方などもいて定着してきております。また、最近ではスターバックスコーヒーでのDカフェを参考に、地域の喫茶店を会場にして認知症カフェが開催されるなど、各地で広がりを見せていることからも、今後も継続してまいります。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) Dカフェがスターバックスで行われていることは有名なことかと思いますが、そちらを参考に認知症カフェが各地域で広がりを見せていることはすばらしいと感じました。また、高齢者を地域で支える取り組みにつきまして、認知症サポーター養成講座を進め、さらにステップアップ講座を受けた方の一部に対しては、認知症の方やその家族の支援をする場を提供しているとのことでございました。現在までに認知症サポーター養成講座を受けた方が2万6,500人いらっしゃるということでございましたが、そのうち地域で活動されている方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。
○議長(若林章喜) いきいき生活部長 奥山孝君。
◎いきいき生活部長(奥山孝) まず、認知症サポーター養成講座を受けた方は、今年度だけで言いますと、1月末時点で3,095人となっております。認知症サポーター養成講座なんですけれども、認知症について正しく理解するための講座で、ボランティア活動などの活動を要請するものではなく、講座の修了後、実際に地域で活動されている方の数については把握できておりません。しかしながら、サポーターの中でボランティア活動など関心のある方に対して、高齢者支援センターが活動の場を紹介している事例などは幾つか聞いております。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) ボランティアなどの活動を要請するものではなく、そのため地域で活動されている方の数は把握されていないということですが、認知症サポーター養成講座を受けられる方はわざわざお越しいただいて受けられるので、認知症に興味があり、地域で活動したいと考える方もいらっしゃるのではないかと考えます。単に講座を受けて、それで終わりではもったいないと私は考えております。そういった方々を地域づくりに生かしていくような取り組みを促進すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(若林章喜) いきいき生活部長 奥山孝君。
◎いきいき生活部長(奥山孝) 今、議員からご指摘いただいたように、市のほうでもそういった議論を今進めているところでございます。例えば、認知症サポーター養成講座のときにアンケートをとって、活動の意欲のある方に活動の場を紹介するでありますとか、実際に認知症の方とかかわる機会が多い金融機関、それから小売店などのサービス業の方々に講座を重点的に開催して、実際の仕事の中で支援を行えるようにするなど、今行っていることを発展させていこうというふうに考えております。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) アンケートなどをとり、活動の意欲がある方に場を紹介することも今ご検討いただいているということで、ぜひ積極的に進めていただくようお願いいたします。また、先ほど小中学生に対して認知症サポーター養成講座を積極的に行っているというご答弁もございましたが、子どもたち、そして若い世代が地域づくりにかかわるように促すことは、持続可能な地域社会をつくる上で非常に重要なことであると考えます。今後も継続していただきますようお願いいたします。
続いて、家族介護者支援についてお伺いいたします。
まず、相談事業に関しまして、相談件数と、これらの事業をどう評価されているのか、お教えください。
○議長(若林章喜) いきいき生活部長 奥山孝君。
◎いきいき生活部長(奥山孝) 相談事業についてご質問いただきました。認知症電話相談事業なんですけれども、これは東京都の指定を受けている認知症疾患医療センターである鶴川サナトリウム病院に委託して行っているものでございます。2018年度、今年度の相談件数は、1月末時点の10カ月間で135件でございます。臨床心理士による相談事業でございますが、こちらが市内12カ所の高齢者支援センターで月に1回実施しております。認知症に対する病気の理解や本人の接し方、介護に対する負担や悩み等について相談できるものでございます。1月末時点で今年度の実績で158人の方の相談を受けております。これらの事業でございますけれども、無料で気軽に相談できるものでございまして、認知症の方がふえる中、その介護を行う家族の支援に有効であると考えております。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) 無料で気軽に相談できる相談事業を実施されているということで、ただいまのご答弁ですと、10カ月間の合計の相談件数が約300件ということかと思いますが、この件数についてはどのような評価でいらっしゃいますでしょうか。
○議長(若林章喜) いきいき生活部長 奥山孝君。
◎いきいき生活部長(奥山孝) 済みません、今認知症電話相談なんですけれども、10カ月間で135件と申し上げました。済みません。
この事業は、以前は市役所の中で相談員を置いてやっていたこともあるんですけれども、大体100件前後ということで推移をしております。町田市は特に、これが多いとか少ないとかというよりも、相談できる窓口をふやすということで施策を進めてまいりました。ですので、認知症の方がふえているということも含め、だんだんふえていくのかなというふうに考えております。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) 済みません、私が300件と申し上げましたのは、鶴川サナトリウム病院さんで行っている事業と臨床心理士さんによる認知症電話相談事業を勝手に足させていただきました。失礼いたしました。
ちなみに、市内の認知症の方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。
○議長(若林章喜) いきいき生活部長 奥山孝君。
◎いきいき生活部長(奥山孝) これは実際は、国も含めて正確な人数というのはなかなか把握しづらいものなんですけれども、町田市におきましては、東京都が2013年に市民の方を対象に実施した実態調査がございます。その結果によりますと、2013年当時では、およそ1万4,000人と。これは推計でございますけれども、2025年には約2万3,000人にふえるだろうというふうに推計されております。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) 2013年の時点でも1万4,000人いらしたということで、推計ではありますが、現在はもう少し多いかと思うんですけれども、1万4,000人の認知症の方がいらっしゃって、気軽な相談窓口があって、その相談件数が300件というのは私は少ないのではないかと感じます。せっかく事業自体は求められている内容だと思いますので、もっと広く広報に力を入れていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(若林章喜) いきいき生活部長 奥山孝君。
◎いきいき生活部長(奥山孝) 今、広く周知すべきだということでご指摘をいただきました。市といたしましても、これらの窓口をたくさん使っていただきたいと思っておりますので、今後もいろいろな媒体を使いながら周知に努めてまいりたいと思います。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) ぜひよろしくお願いいたします。認知症施策に対する広報に関しましては、さきの議会で5番議員からも取り上げられましたが、ぜひ私からも改めてお願いいたします。
2016年に大変残念ながら、成瀬で介護心中が発生してしまいました。このようなことが二度と起こらないようにしなければならないというのは、どの立場から見ても共通の考え方だと信じております。ぜひ忘れることなく、施策を進めていただきたく思います。
また聞くところによりますと、町田市認知症友の会さんと学識共同者の方が共同して、町田市内在住の認知症の方を介護している家族介護者の方へのアンケート調査を行い、約300の有効回答を得て、その分析を行い、家族介護者の当事者の支援者との共同による認知症に優しい地域づくりのための活動モデル試案作成に取り組まれているそうです。そういった自発的に取り組まれている団体に関して、市としてはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
○議長(若林章喜) いきいき生活部長 奥山孝君。
◎いきいき生活部長(奥山孝) 今、議員のほうからかなり詳しくご紹介をいただきました。家族介護者の会が市内にあって、そういうような方々が活動していると。また、市には認知症施策推進協議会と申しまして、認知症の施策についてご意見をいただく機関がございます。そこにも家族会の代表の方を入れたりしております。市といたしましても、こういった意欲的な活動、特に議員がおっしゃったような活動に対しては、できる限りの支援をしてまいりたいというふうに考えております。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) 今挙げさせていただきましたのは一例ではございますが、町田市内では、市民の方も認知症施策に対して積極的に取り組んでいる団体が多くいらっしゃると思います。今ご答弁いただきましたが、支援を含めました協働での取り組みを推進していただくことを私からもお願いいたします。
最後に、町田市は他市と比較しても認知症当事者の方がご意見を述べることができる場が多く設けられていると感じます。こういった姿勢に関して、今後も続けていかれるのかどうかを確認させていただきたいと思います。
○議長(若林章喜) いきいき生活部長 奥山孝君。
◎いきいき生活部長(奥山孝) 町田市では、認知症施策を推進するに当たりまして、認知症のご本人が本当に望むことは何かを考えるために、ご本人たちの意見を直接聞く機会をなるべく多く設けてまいりました。そして、その結果をDカフェやDサミットに生かしてまいりました。通常、認知症の方は、自分が認知症であることを人前で話すことをちゅうちょすることが多いとは思われますが、町田市には認知症に対する理解を深めるために、みずから認知症であることを公開し、意見を述べてくれる方がいらっしゃいます。このことは町田市にとって大きな強みであり、今後もこういった認知症ご本人の意見を伺いながら、事業を進めてまいりたいと考えております。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) ありがとうございます。今ご答弁いただいたとおりでございますが、ご自身が認知症の当事者であることを公表し、その上で、ご意見を述べてくださる方がいらっしゃるということは、町田市にとっても非常に大切なことだと私も感じております。ぜひ、認知症当事者の方や、そのご家族の方のご意見を重視した取り組みを今後も継続、発展させていただくことをお願いいたしまして、項目1、認知症施策についての質問を終了させていただきます。
次に項目4、姉妹都市についてに移らせていただきます。
先ほどのご答弁で、現在、町田市をキャンプ地として決定している都市を含めて姉妹都市はないというご答弁でございまして、壇上で申し上げましたとおりの理由から、東京オリンピック・パラリンピックを控えた今、まさに国際交流の機運が高まっているというのが私の感想でございますが、市としては、今国際交流に関しましてどのような状況にあるとお考えでしょうか。
○議長(若林章喜) 政策経営部長 小島達也君。
◎政策経営部長(小島達也) 国際交流ということでございます。今、先ほど最初の答弁でもいたしましたけれども、オリンピック・パラリンピックの事前キャンプを行うという国がございますので、そういった都市と市民との交流をしていくということが一番重要だと思ってございます。そして、事前キャンプが終わった後に継続した交流が図られ、緊密な関係性が築かれていく中で、姉妹都市としての目的、意義等を十分に検討した上で、姉妹都市締結に向けた判断ができるような交流ができればと思ってございます。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) そうしますと、姉妹都市になる可能性を今後判断していかれるということでしょうか。
○議長(若林章喜) 政策経営部長 小島達也君。
◎政策経営部長(小島達也) やっぱり、キャンプの交流を通して、引き続き継続的な市民間の交流というのが盛り上がることが大事だと思いますので、そういう点を考慮しながら考えていきたいというふうに考えてございます。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) 今ご答弁いただいた感想を述べさせていただきますと、比較的前向きなものなのかなというふうに聞こえました。
ちなみに、2018年には2回、南アフリカ共和国のハウテン州議団の方が町田市議会の視察にお見えになっております。その中でも2回目にいらっしゃった10月31日の視察の後に、若林議長宛てに頂戴したお礼状を今お借りしておりますので、一部を読ませていただきます。町田国際交流センターさんによる翻訳文書でございます。
皆様方の温かな歓迎に感謝するとともに、町田市議会職員と皆様のご尽力にお礼を申し上げます。町田市議会とのミーティングでは、生産的な協議が行われました。私ども議員団にご教授いただいたすばらしい活動は、今後のハウテン州の議会運営に永続的な効果をもたらすものと思います。ミーティングの際の活発な議論に基づき、ここにハウテン州議会は町田市との間で戦略的なパートナーシップを確立する旨、再び表明いたします。基本となっているのは、顕著な特徴を持つ町田市という考え方です。すなわち、1、スポーツ科学に秀でる。2、交通インフラ及び道路インフラの整備。3、環境マネジメント。4、地域経済の発展。5、教育と保健福祉。6、ガバナンス及び倫理の向上と市議会議員宣言。提案されたパートナーシップは、ハウテン州の地方行政区にまで及ぶものとします。本パートナーシップについて前向きに検討されるよう期待しています。引用は以上でございます。
こちらのように議会間で交流を持ち、さらに先方から非常に好評をいただいている、ご評価いただいているということに関しましては、姉妹都市締結の前向きな理由になり得ますでしょうか。
○議長(若林章喜) 政策経営部長 小島達也君。
◎政策経営部長(小島達也) 今、南アフリカのハウテン州のご紹介をしていただきました。先ほど来述べてございますけれども、そういったものをきっかけにして、今後市民間の交流とか、そういった広がりが重要だと思っていますので、そういったことを踏まえながら検討していきたいというふうに考えてございます。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) ちなみに、教育に関してお伺いしたいのですが、えいごのまちだを掲げる中で、現状としては姉妹都市がない中、国際教育に関して教育面からはどのようにお考えでしょうか。
○議長(若林章喜) 学校教育部長 北澤英明君。
◎学校教育部長(北澤英明) グローバル化が進む中で、英語は多くの人々とのコミュニケーションを図ることができる重要なツールであるというふうに考えております。そのためには、英語に触れる環境の中で子どもたちが過ごす空間も必要でありますし、直接英語でコミュニケーションをとる機会も必要であると考えております。今、教育委員会では、えいごのまちだ事業ということで進めておりまして、小中学校へのALTの派遣の時間を増加したり、授業のみならず、休み時間や給食の時間も触れ合えるようにしております。
小学校では、英語でのコミュニケーションを重視した放課後英語教室を実施しておりまして、さらに今年度から、世界各国からのALTを1校に数人配置して、世界1周旅行するように、子どもたちが手づくりのパスポートを持って、ゲームやクイズ、物づくりなどを通じて、さまざまな国の異文化を英語で体験するイベントである、English Festaを小学校6校で実施いたしました。また、今年度、市内の小学校3校におきましては、スカイプを活用した海外の子どもたちとの国際交流活動を実施しております。
今後は、今取り組んでいるえいごのまちだ事業を進める中で、放課後英語教室の中学校への拡大や、この秋開館いたしますスヌーピーミュージアムの活用など、市内で生きた英語に触れる機会を提供して、子どもたちが学んだ英語を活用できる機会をふやしていきたいというふうに考えております。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) 今さまざまな取り組みをご紹介いただきまして、改めて、えいごのまちだ事業はすばらしいなと感じております。先に申し上げておきますと、私はえいごのまちだ事業が非常に好きでして、評価しているということを先に申し上げた上で、私にも日本に住む外国人の友人がおるわけですけれども、その友人と雑談をしながら都内で例えばお茶を飲むことは、語学の習得にはつながると思いますが、それが国際交流かといいますと、その意味合いは比較的弱いものであると自分自身感じております。なぜかと申しますと、その友人が母国の文化を喫茶店に持ってきているわけではなく、その外国人の友人が日本の文化に合わせて私とお茶を飲むわけでございまして、日本で外国人と話しても異文化と触れることは、私の経験では余りございません。
自主的な活動をいろいろされているということは、今ご紹介いただいてよく理解したんですけれども、恐らく学校でALTと触れ合うことは、私が今申し上げたお茶を飲むような状況に近いと考えております。それを踏まえた上で、子どものころから国際交流の機会を持つことについて、改めてどう思われるかお聞きしたいと思います。
○議長(若林章喜) 学校教育部長 北澤英明君。
◎学校教育部長(北澤英明) 国際交流の機会を持つことは大切だと思います。先ほども申し上げましたが、今年度から始めていますEnglish Festaということでは、さまざまな国の異文化を体験するイベントを行っておりますので、これをまた広めていきたいというふうに考えております。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) 私ももちろん国際交流の機会を持つのが大事だと思っているので質問させていただいているんですが、やはり国内で外国人の方と話すのと、実際に行くのとは全然違うなと思う部分がありまして、私は大人になってからしばらくの間、海外におりまして、約30カ国を転々と歩いたんですけれども、日本で外国人の友人と会う機会のほうが私が海外にいた日数より圧倒的に多いのですが、海外にいるときのほうがよほど刺激が多く勉強になりました。異文化の中にみずからが入っていき、現地の人々と触れ合い、生活をともにする。そうすることができて私は大きく成長することができたと思います。私は子どものころは貧しく、海外に行ったことがありませんでしたが、大人になってもこういった成長のできる機会が子どものころにあるとどんなによいだろうと考えております。
子どもたちが海外に行く機会をつくることは、家庭でも重要なことだとは思うんですけれども、やはり、えいごのまちだを掲げております町田市の1つの施策として考えていただけないかとお願いするところでございます。そのためにも、姉妹都市の締結を結び、子どもも、そしてもちろん大人も、市民の方が海外の都市と行き来しやすい状況を町田市みずからつくっていただければと考えております。
以上で項目4、姉妹都市についてを終了させていただきます。
最後に項目2、生産緑地についてでございます。
先ほどご答弁いただいた中に、市内の都市農地の保全に関して、町田市農業協同組合さんと連携協定書を締結したとございまして、こちらは特定生産緑地の指定促進に寄与するものだと考えます。より一層協力を深めて、特定生産緑地の周知活動を奨励していただければと思います。
また、同じく先ほどのご答弁の中で、特定生産緑地制度等説明会を12回行い、延べ約270名の方が参加されたとございましたが、今議会における建設常任委員会にて、19番議員の生産緑地に関する質疑に対するご答弁の中で、説明会の対象者が約800名で、説明会の対象者のうち実際に参加されたのは約3分の1の方――先ほど270名が3分の1に該当するかと思うんですけれども、そういった趣旨のご説明がございました。また先ほどのご答弁の中で、都市の農地、農業に関するアンケートを実施したとございましたが、こちらも同じく今議会における建設常任委員会を拝聴しましたところ、19番議員の生産緑地に関する質疑に対し、約1,000件依頼し、回収は約300件であったという旨のご答弁がございました。
つまり、説明会に参加された方、アンケートに答えてくださった方、ともに対象者のうち約3割にとどまったということになるかと思いますが、率直にこれでは少ないのではないかと感じるのが、私の感想でございます。生産緑地の所有者の方の中には、生産緑地制度について100%理解されていなかったり、1992年から1993年にかけて登録された方が2022年に30年の期限を迎えるわけですが、ご自身がいつ登録されたか覚えていない、また指定されてから30年を迎えたときにどうしたらよいかわからない、そしてこちらが一番多いかと思いますが、特定生産緑地制度をご存じない、そういった方も比較的多くいらっしゃると想定されます。そういったことから、所有者の方全員への周知が必要だと考えております。以上を踏まえまして、今後の課題と今後の取り組みについて何かございましたらお教えください。
○議長(若林章喜) 都市整備担当部長 萩野功一君。
◎都市整備担当部長(萩野功一) 今の質問に対してお答えしますと、まず今後の取り組みといたしましては、2019年4月に生産緑地指定から間もなく30年を経過することをお知らせする書類を対象の方へ送付する予定でございます。その後、10月に特定生産緑地指定に関する申請書を送付した上で、手続に関する説明会を開催し、特定生産緑地指定の申請の受け付けを開始する予定でございます。
課題といたしましては、対象者に対しまして漏れなく周知を行っていくということと、特定生産緑地への移行判断に迷われている方々に対して、特定生産緑地制度を選択していただくことが課題だと考えております。そのために個別相談会を初め、多様な説明機会を設け、継続的な周知活動を行ってまいります。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) ことし、来月に間もなく30年が到来しますよということをお知らせする書類の送付をしていただけるとございましたが、そちらは2022年に期限の30年が到来する土地所有者の方全員にお送りいただける解釈でよろしいでしょうか。
○議長(若林章喜) 都市整備担当部長 萩野功一君。
◎都市整備担当部長(萩野功一) 送付の対象者は2022年及び2023年、この2カ年に生産緑地指定から30年が経過する方、土地所有者の800名に対して送付予定でございます。
○議長(若林章喜) 1番 東友美議員。
◆1番(東友美) 対象者の方全員にお送りいただけることで理解いたしました。生産緑地所有者に対し、来月、全員の方に書類をお送りいただけるということ、また状況に応じた説明の機会や、さらには個別の相談を受けていただけるということで間違いなく、よろしくお願いいたします。
町田市におきましては、生産緑地の面積要件の緩和などに迅速にご対応いただくなど、生産緑地や農地の保全に積極的に取り組んでいただいていることは承知しております。ぜひ、引き続き町田市の農業の保全、発展に取り組んでいただくとともに、特定生産緑地への移行に関しましては、さらなる周知活動を行い、農業従事者の方、特に都市の農地、農業に関するアンケートで、特定生産緑地への移行を決めかねていると答えられた方が30%いらっしゃったと、こちらもさきの建設常任委員会にて、19番議員の質疑に対するご答弁の中にございましたが、その移行を決めかねている3割の方に特定生産緑地への移行を前向きに考えていただけるよう、メリット、デメリットを正確に、そして対象者全員の方に漏れなくお伝えいただくことを改めてお願いいたします。
最後に、いわゆる生産緑地2022年問題は、都市農地施策を大きく転換させるきっかけとなった事象であり、今後のまちづくりにも影響する重要なものであると考えます。
そこで最後に、これから町田市の特定生産緑地をどのようにしていきたいとお考えなのかを農業委員会会長にお伺いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。
○議長(若林章喜) 農業委員会会長 吉川庄衞君。
〔農業委員会会長吉川庄衞登壇〕
◎農業委員会会長(吉川庄衞) ただいまの質問にお答えをさせていただきたいと思います。農業者が農地を持ち続けることができる仕組みの1つとして、特定生産緑地制度が施行をされました。私は、農業者の方からたびたび生産緑地についての相談を受けております。それは、年を重ねて今までみたいに耕作ができなくなったと、息子はいるんだけれども、会社勤めで跡を継ぐ気はどうもなさそうだと、生産緑地指定から30年が経過したときに耕作を続けるか、農地を手放すか悩んでいると、こういう内容でございます。
そこで私は、特定生産緑地指定の選択をしない場合は、固定資産税と都市計画税が宅地並みに上がってしまいます。しかも、相続税納税猶予の適用を受けている場合は、終身営農が条件であるために、引き続き耕作をしていたとしても、固定資産税、都市計画税は宅地並みに上がってしまいます。さらに、相続が起きたときに、息子さんは相続税の納税猶予の適用を受けることができません。もし、息子さんが農業を継ぐ決断をしても、税制面でのメリットがなく、農地を所有し続けることが困難になるため、農業を継ぐ選択がしづらい状況になってしまいますと。それに対して、特定生産緑地を選択した場合は、固定資産税、都市計画税は今と変わらない状況が続きます。さらに、相続が起きたときに、息子さんは相続税納税猶予の適用を受けて農業を継ぐことができます。そのとき相続税を納めるために、特定生産緑地の指定を受けた農地の一部、あるいはまた全部を手放すこともできます。今は息子さんが跡を継ぐ気はなくても、将来農業を継ごうとするときや相続が起きたときに判断するのは息子さん自身です。あなたが今できることは、将来息子さんが判断するときの選択肢を少しでも多く残しておくことではないでしょうかと。
ただし、特定生産緑地指定を受けるには、生産緑地指定から30年を経過する前に手続を終えなければなりません。だから、当面土地活用をする考えがなければ特定生産緑地を選択しておくほうがよいと思いますよと、助言をさせていただいております。このように、特定生産緑地制度は農業者にとってメリットがあり、都市農地を保全するためにも有効なものであると考えております。
農業委員会といたしましては、これまでも農業委員会だよりや農家座談会、あらゆる機会を活用して農業者に周知をしてまいりました。今後も特定生産緑地制度について、知らなかったという人が1人も出ないように、町田市や町田市農業協同組合とも連携をして、これまで以上に周知に取り組んでまいりたいと思います。
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